Undine

憎んだり愛したり忙しい

The♡World's♡End

The♡World's♡End

 

 BGMです、どうぞ。


思えば全て、「許してしまう君の代わりに私が裁いてあげると決めた」だけの話だったように思う。一言でまとめれば、私のこの6年間とかってそんなものだし、むしろそれ以外のやりかた・それ以上の進めかたなんて皆目見当がつかない。
だってずっと、わかった試しがない。そういう意味では全く成長していないし、だからきっと私は、1人の時孤独で頭を潰される感覚がするのだ。
そういうありかたって、1人じゃ成立し得ない。思考をアウトソーシングしているから。頭なんてないのと一緒で、私は私が気持ち悪い。虫以下だと思う。虫だって自分の本能でシンプルに生きられるぶんマシか。普通に生きているだけで、余計な考えが、雪崩れるように流れ込んでくる。
私は優しい人が好きだった。優しくされるのはあたたかくて気持ち良い。
その体温を何が何でも失いたくないだけなんだと思う。だって優しい親に、優しく愛されてきたから。全ての根源にそれがある。
しかし、いつだって愛は半分こだった。小さい時は双子の片割れが疎ましくて、よく出し抜いたものだった。仲はわりかし良かったはずだったが、繰り返される『比較』に気を病んでしまったのだと思う。先にお菓子をもらうのは私だし、先に頭を撫でてもらうのだって私が良かった。
いつか、先におやすみのキスをされた弟が死ぬほど妬ましくて、1人で布団をかぶって朝を待った。
双子ちゃん可愛いねともてはやされるが、私は私が可愛いと言われたかった。
もう片方ではなくて、私だけが特別に褒められる・愛される理由が、ずっと欲しかった。
だから相手に承認されるために、何かしないと気が気じゃない。
異性の双子でもこうなのだから、同性の双子に生まれていたら、本当に私は妹を殺していたと思う。
 
あたたかくて優しい君の為なら、悪鬼になっても構わない。むしろ悪鬼になりたいだけだったのかもしれない。人の意思を借りれば、私はなんだって出来る。ああ気持ち良い。人の為を思い人の為に何かを・誰かをを潰すのには、何物にも変えがたい快感がある。だってこんなに悪いこと、他のやつにはできるはずがない。私にしか出来ないはずだ。
罪悪感を超える喜び、その先に優しい笑顔があるんだと信じられる気がしてしまう。君を汚す罪・悪意・仇敵すべて、君が知らないうちに全て雪いでしまいたい。君が正しく笑えるのなら、私は正しくなくたっていい。君のせいで悪くなる、それで構わなかった。だって最高に酔える、酒なしでも昼間からでも泣けてくるほど酔えてしまう。君の周りの人間は勿論、君本人すら出来ないことを私はしてあげられる。

誰か1人のために何かを捨てる。切り落とす。擂り潰す。
着々と進むその行為が、意味を持つのはいつなのだろう。
 
でも、必ずいつか、その優しい君の顔すら、ただの茫とした阿呆面に見えてしまう時がくる。頼まれていないことをしていただけ、謝意なんて必要なかったはずだ。でも私の苦悩を知らないその優しい顔が、とんでもなく憎く思えてくる。
 
私がこんなに辛いのは、他でもないこの人間のせい?
どうして私の努力を認めてくれない?
 
そればかり繰り返していた。
いつか終わる。それだけが日の習いで、私はいつも思い知る。この苦悩だって借り物だし、私は本当に誰の意思で、誰の望みでこんなことをしているのだろうか。
甘い君に甘やかされ続けるために、君が辛くも赦してしまったみなみなさまに火を放つ。優しさ、その快楽を知るのは私だけでいい。それだけ。
……ああやっぱり、私は私の意思でこんなことを繰り返していたみたいだ。救えない。本当にみんな、死んでしまえばいい……そこまでいって、思考停止してしまう。溺れるものは藁をつかみがちだから、私が今必死につかんでいるのが、藁でない確証なんてどこにもない。安心したくて手にしたものが、余計に不安を煽る。