Undine

憎んだり愛したり忙しい

たいばん

もう1週間もすれば答えが出る。今日が生理予定日だった。1日2日のズレが、今回ばかりは恨めしい。

生理は来る、子供は来ない。
大袈裟に騒いでいる。大袈裟に悩んで。

それが大袈裟、で片付けられればどんなにか幸運だろうか。
わたしはまだ授かることを喜べるほど大人ではない。だから、毎晩祈ってから眠る。
まだ幸せにはしてあげられないから、どうかまだここには来ないで。
ああ眠れない。仕事になんて集中できない。ダメな新人。

彼氏のおびえ。
わたしからすればとても大人に見えていた彼がプレッシャーに押しつぶされそう。一年半前の理不尽な婚約解消、それに伴う借金の傷がまだ癒えてないんだって。
ああ借金してたの。かわいそうに。抱きしめてあげないと。あなたがわたしを愛すぶん、わたしもあなたを支えてあげる。


上司のセクハラ。
「結婚しても長く勤めて、ここで力を伸ばしてね」
素敵な激励。わたしには重荷。なんの能力を買われたのかは知らないが、新卒が滅多に来ない、残業上等の部署に配属になった。もうそれだけでも少し苦しい。
優秀な人が来るところなんだよって言われた。別にわたし、優秀ではないし、優秀じゃなくてもかまわない。
私は、働きながら夜ご飯を作ったり、家事をする生活に憧れてたのに。
9割が男、1割はもう子どもが大きいママさんとか、子どもを作るつもりがない奥さんとか、そういう人で構成されてる。

先輩の残業時間を見ることが恐ろしい。
定時で上がっていても私は、力尽きて家で眠り込んでいるのに。

「綺麗な子が来たってみんな喜んだんだよ。ここは野郎ばっかりでさ」
「腹を割って話すっていうのも、楽しいもんだよ。今度また飲もう」
「出会いはここでもたくさんあるから、社内の集まりは大切にしたほうがいいよ」
「美人さんだね、でもぼくは××さんのほうが好きかな」
「ぼくの奥さんはここの人でね」
「俺も」
「はは、〇〇さんだから言うわけではないけど、こういうのも大事だから」
「ほんとうにかわいいね」
「大丈夫みんな味方してくれるよ」

受け手の問題だ。わたしはたぶん繊細すぎる。でも、飲み会の帰りは何かを殴り付けたい気持ちになった。やめてよ、言わないで、助けて、わたしをそういう目でみないで。
けいちゃんが助けてほしいのに、けいちゃんには頼れない。おとうさんおかあさんには頼るわけにはいかないよ、だってもう大人だもの。

子どもは愛せる。理不尽だって愛せる。
でもわたしは、

を愛せない。折り合いがつけることができない。大人になれない。のに、子どもなんて。